セガ、売上拡大へ休眠タイトルの再活用も検討。新IPや外部IPも含め各種IP施策を強化


 

セガサミーホールディングスは15日、2020年へ向けた中期ビジョン「Road to 2020」を公開。パッケージゲーム分野において、過去の人気タイトルの再活用も視野に入れていく計画を明らかにしました。

家庭用ゲームを含むエンタテインメントコンテンツ事業は、2020年へ向けて「感動体験を創造し続ける」とのミッション、「Be a Game Changer 〜革新者たれ〜」とのビジョンを掲げ、売上高3000億円以上、営業利益300億円以上、営業利益率10%以上の達成をセグメント目標に据えています。

セガのエンタメ部門で近年課題となっているのは、発売タイトルを売れ筋に絞ってチャレンジしなくなった結果、世界的なヒットタイトルから遠ざかってしまっていること。局地的に売れるタイトルは生まれているものの、モバイル市場を含めると世界的にコンピューターゲーム市場が広まりを見せているなかで、存在感が相対的に低下しています。

そうした中、売上拡大へ向けて世界的なヒットを狙う方針にシフト。ビッグヒットを生むためにタイトル数を厳選したり、プロモーションを強化するなど期待タイトルへの集中投資を強める姿勢を見せ、分散投資から集中投資への移行を目指します。

またグローバル展開を促進する仕組みづくりとして、地域拠点の経営統合による強化を図ったり、IP を軸とする活用を模索。

IP 施策の強化:既存、新規、外部、そしてリバイバル

採用する IP の幅を広げ、既存 IP に加えて休眠 IP の再活用等を含めた各種 IP 施策を強化すると明言。ここには既存 IP やリバイバル IP だけでなく、新 IP、外部 IP も含まれています。

採用された IP は、コンソールや PC、モバイル等多方面へ展開し、相互に送客や集客を行い収益の最大化を目指します。また特定地域に限定するのではなく、展開する地域を拡大し、より多くのユーザーにリーチするよう取り組んでいきます。

今後の組織体制としては、IP を軸にスタジオを編成。マルチデバイス・グローバル展開促進を行います。たとえば『ソニック』は、人気の中心地である北米スタジオが主導します。

パッケージゲーム分野の重点ポイントは以下の5つ

  • 欧米PCの既存IP拡大と新規獲得
  • 開発受託による収益基盤構築
  • 新規IPへの挑戦
  • 有力IPのリバイバル
  • 開発エンジンの有効活用

最近盛り上がりを見せる eSpots と絡めた施策を期待できそうなのは、対戦格闘で一時代を築いた『バーチャファイター』や、『バーチャ〜』シリーズなどのスポーツ系。対戦格闘、スポーツ、レースはかつてセガが強かった分野ですし。また個人的には『Jet Set Radio (JSR, ジェットセットラジオ)』シリーズ。90年代カルチャーのリバイバルもきていますし、いいタイミングではないでしょうか。

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