『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は原点回帰、でも初代の再構築ではない


 

遂にE3 2016で正式お披露目となった『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、「ゼルダの当たり前を見直す」というテーマのもと、どこに行って何をするのも自由、選択がプレイヤー1人1人の手に委ねられている新しい型のゼルダタイトル。加えて、ゼルダが本来持っていたプレイヤーが考えて遊ぶ「自由なアドベンチャー」を取り戻す、原点回帰でもありました。

最新作『BotW』のテストプレイヤーからは、初代との関係性を気にする声もあるという任天堂・宮本茂氏。ですが開発チームは、初代をリ・クリエイトしようとしているわけではありません。『ゼルダ』はシリーズが進むにつれて、謎解きは残しているものの、パートナーがおせっかいなほど次のルートをナビゲートする、非常にシーケンシャルな1本道のゲームになっていきました。これを初代がもっていたルーツに戻そうということで、最新作の開発がスタートしたのだそう。

最近の据置ゼルダに多かった過剰なナビについては、シリーズ総合プロデューサーである青沼英二氏も「以前のゼルダでは、プレイヤーが迷わない構造にしていた」と当時の狙いを振り返っています。初心者でも遊びやすかった一方で、指示されながら進んでいく少し窮屈なゲームになっていった側面も。

最新作では、様々な場面で初代との共通点を目にすることができます。たとえば今回リンクは裸の状態(ボクサーブリーフは履いている)でスタートしますが、最初のゼルダも何もない素の状態でゲームが始まります。

30年前の初代開発中、決まったルートのあるゲームをクリアすることになれていたモニターからは、ゼルダは何をしていいのかわからないゲームだという意見が多かったそうです。いきなり放り出されますからね。

そうした意見を踏まえて宮本氏は何をしたかというと、リンクが持っていた剣も無くして、本当に何も分からないところから始まる仕様に変更。「自分で考えて遊ぶ」ゲームなんだということを、プレイヤーにより分かりやすく提示したといいいます。

ストーリー等に関しても、最近のゼルダでは色々な人が出てきてリンクに説明してくれていましたが、この点も今回は原点に立ち返って、自分が何者か分からない状態からゲームがスタート。この大自然と接しているうちに、徐々に理解が深まっていくと言われています。


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