ディズニー、ビデオゲームの自社開発から撤退しライセンスモデルに移行。『Disney Infinity』は終了、開発スタジオは閉鎖


 

ディズニーが10日に発表した2016年1-3月期決算の中で、自社開発でこれまで3タイトルをリリースしてきた『Disney Infinity』シリーズの終了が明らかになりました。開発の中心を担ってきた300人規模のスタジオ Avalanche Software は閉鎖され、ディズニーはそれに伴う費用1億4700万ドルを計上しています。

ディズニー・インタラクティブとAvalanche Softwareは先日、今年は『4.0』ではなく、新たなフィギュアやプレイセットを投入して『3.0』のサポートを継続していく計画であると発表。『4.0』にならないのは『3.0』の内容に満足しているからだとしていました。

多数のキャラクターを保持しながら、ディズニーはビデオゲームで目覚ましい成功を収めておらず、昔はカプコンやセガといったゲームメーカーと提携して関連タイトルを発売。ディズニー・インタラクティブ・スタジオを設立し、自社開発・パブリッシングで舵取りを始めたのは2000年代後半になってからで、その頃は非ディズニーキャラクターを起用したオリジナルタイトルにも挑戦。

ただこの路線も大きな成功を収めるまでとはいかず、関連スタジオが閉鎖されるなどして家庭用ゲーム向けは縮小。インタラクティブメディア部門がモバイルシフトを強める中、大規模な投資を行い発売されたのが『Disney Infinity』でした。NFCフィギュアを使う「Toys-to-Life」カテゴリの商品で、用意されたゲームを遊ぶのはもちろん、様々なパーツを使って自分だけの世界を創ることができるのも特徴のゲームです。

第1作目は、盛り上がり始めた「Toys-to-Life」市場の拡大もあって、低迷していたディズニー・インタラクティブの業績を好転させるヒットを記録。ところが続く『2.0』はディズニーからの期待に応えられずに雲行きが怪しくなり、『スター・ウォーズ』をフィーチャーし、ゲーム内容も改善された『3.0』も、最終的にスタジオを救うことはできませんでした。

唯一の家庭用ゲーム機向けタイトルだった『Disney Infinity』の終了と、その開発の中心だったAvalanche Softwareの閉鎖により、自社開発からは撤退するディズニー。ビデオゲームにおいては今後ライセンスモデルへと移行し、他社と提携したタイトルでディズニー・キャラクターの起用を見ることになります。

先駆者として市場を切り拓いた『Skylanders』の伸び悩みや今回の『Disney Infinity』終了。ビデオゲームの新たなジャンルとして注目され、成長分野であると見られていた「Toys-to-Life」ですが、早くも正念場を迎えているのかもしれません。

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