- 2009.02.14
- 漫画/書籍

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
ナシーム・ニコラス・タレブ (著) / 望月 衛 (翻訳)
これも年末年始に読んだ本のうちの1冊。
不確実性科学の大学教授であり、トレーダーとしては20年にわたるキャリアを持つナシーム・ニコラス・タレブが、金融市場と日常で「偶然」が果たしている役割と人間心理の不思議な関係を解明する。
非常に面白くて、そして今の自分にはまだ難解な部分も多い本でした。
著名なブログで紹介されていた事で気になっていて、ようやくといった感じで読んでみた。
目次:Amazon.co.jpより
- はじめに:知識を真に受けてはいけない
- 改訂第二版での謝辞
- 各章の要約
- プロローグ:雲に浮かんだモスク
- 第I部 ソロンの戒め:歪み、非対称性、帰納法
- 第1章 そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ?
- 第2章 奇妙な会計方法
- 第3章 歴史を数学的に考える
- 第4章 たまたま、ナンセンス、理系のインテリ
- 第5章 不適者生存の法則:進化は偶然にだまされるか?
- 第6章 歪みと非対称性
- 第7章 帰納の問題
- 第II部 タイプの前に座ったサル:生存バイアスとその他のバイアス
- 第8章 あるいはとなりの億・長者でいっぱいの世界
- 第9章 卵を焼くより売り買いするほうが簡単
- 第10章 敗者総取りの法則:日常の非線形性
- 第11章 偶然と脳:確率をわかるのに不自由
- 第III部 耳には蝋を:偶然という病とともに生きる
- 第12章 ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト
- 第13章 カルネアデス、ローマへきたる:確率論と懐疑主義
- 第14章 バッカスがアントニウスを見捨てる
- エピローグ:ソロンの言うとおり
- あとがき:シャワーを浴びながら振り返る
- 第一版での謝辞
- 訳者あとがき
- 図書館へ行く:付注
- 図書館へ行く:参考文献
- 索引
とある投資家の事例から始まり、ある時点で成功している人に対して『運がいいだけのバカ』と切り捨てる毒舌さ。素敵だ。そういう”成功者”は、たまたま地合に合って一時的には大勝することはあっても、長期的には市場から退場することが多いのだそうだ。例えば、10,000人のファンドマネジャーが居たとして、年に半数が10,000ドル儲け、もう半数が10,000ドル損をして退場してしまう。というルールだとすると、5年後に50,000ドルを手にしているのは313人。僅か3%。市場から退場した9割以上の人が考慮されていないが故に、このまぐれ当たりの成功者が過大に評価されてしまう。とかなんとか。
ごく稀にしか起きないけれど、起こると決定的な影響を与える事象「黒い白鳥(black swan)」。今までに「白い白鳥」しか見たことが無いからと言って、その事が「黒い白鳥」は存在しないという結論にはならない。明日、「黒い白鳥」に出会う可能性を排除出来ないから。という部分にハッとした。当然といえば当然なんだけど、意外と見落としがちというか、確率が低いだけにリスクの大きさに反して普段は省略して考えてしまう。とはいっても、その稀な事例を常に意識の中心に置いておくわけにもいかないのが難しいところ。どうしても目先の変化に囚われてしまうので。
最初に出てくる投資家のお話は、エピローグに再び登場する。オチがまた強烈だ。驕れるものは久しからず、分をわきまえて足りるを知る事が大切。
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